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同じ条件で交差後に相手が旋回ぜずに上昇反転した時の機動について Flare 2010/04/02(金) 23:31:51 [添付]

初期機動その2 Hanzo 2010/04/08(木) 21:57:08
初期機動その3 Hanzo 2010/04/08(木) 22:26:33
勉強になりました Flare 2010/04/10(土) 10:09:54
慣性 Hanzo 2010/04/16(金) 21:34:13
Re:初期機動その2 Flare 2010/04/10(土) 09:44:39

初期機動その2
 Hanzo  - 2010/04/08(木) 21:57:08 -

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   戦闘開始時、「速度の大きいほう」の戦術について

ぼくが、かつてよく使っていた手です。
なお、速度が自分のほうが大きいとわかっている場合のほか、相手がエネルギーを捨てて旋回率を重視する「格闘派」である場合もよく使っていました。ぶしつけながらAH時代はWingもFlareさんも典型的な格闘派でしたね(^-^;

以下、初期の速度が大きいほうを「速度大」、速度が小さいほうを「速度小」と呼びます。


まず、初期機動で、速度大が高度優位を確保しOutclimbするパターンから

交差直後から、エネロスを抑えるように比較的緩い旋回率で上昇する。
このとき、速度小が同じように緩上昇で追従してくる場合、螺旋状に上昇して様子を窺う(※)。
今回動画のSさんの機動がまさにこれですね。
速度小は、追いつくために、螺旋の内側をショートカットしながら上昇してくる。
距離の詰まり具合をみて、上に振り切れるかどうか判断する。(この判断は経験がものをいいます)

振り切れないと判断した場合、上昇率をゆるめて、旋回率を高める。速度小もこれに追従して旋回率を高めてくる。
双方とも上昇で速度を失っているにかかわらず、横に旋回するため、さらに速度が落ちて機動性はゼロに近づく。アングルオフがついているため、速度小にとって射撃照準が甚だ困難となる。

その後、エネがより小さい速度小が先に限界を迎え、機首を下げる。
速度大は、これをやり過ごして、後方にとりつく。

(※)速度大が、螺旋状に上昇旋回せず、ハンマーヘッドターンのように直線的に上昇した場合、少々の速度差があっても簡単に距離を詰められます。今回動画のエネ差程度ではおそらく100mも引き離せないでしょう。そのうえ、まっすぐに上昇すると、照準が容易で、撃ちごろの標的となってしまいます。

速度小は、上昇にぎりぎりまでついていった挙句に振り切られると、決定的に不利になる。次の瞬間撃墜されることもある。
したがって、追従できるかどうか、できるだけ早く見切りをつけなければならない。

速度大は、上昇中、相手についてこさせるよう、「もう少しで追いつける」「速度の鈍い格好の標的」など、美味しそうに見せかける。
そして、相手が見切りをつけた瞬間を見逃さず、すかさず追撃に移る。


速度小がこれを嫌う場合、今回のFlareさんのように、相手の上昇に敢えて付きあわず、下で状況を整えて逆転のチャンスを窺うというのは、定石のひとつだと思います。
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初期機動その3
 Hanzo  - 2010/04/08(木) 22:26:33 -

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   初期機動で、速度大がスロットルを絞って食い込むパターン

スロットルを絞って得られる効果は3点あると思います。

1 服部省吾「操縦の話」にでてきますが、スロットルを絞って減速しながら旋回すると、スロットルを全開またはパーシャルにして旋回するより、角速度の大きい旋回ができます。

2 ご承知の通り、コーナー旋回がもっとも旋回角速度を高くできるのですから、旋回中できるだけコーナー速度周辺で飛ぶと、効率よく旋回できます。紫電改のコーナー速度は350km/hあたりでしょうか。インメルマンターンすると位置エネルギーに食われて速度が落ちるので、スロットルを派手に絞ると、速度が落ちすぎてしまうことも考えられます。

3 交差の瞬間に同位であっても、より小さい旋回半径で相手の内側にはいれば、旋回率が同等であっても相手を押し出すことができます。


このように、旋回率を高めて、相手に食いこむことを優先するなら、交差前後から一定時間スロットルを絞ると良いということになります。

相手が、「格闘派」ではなく、エネルギーマネージメントに長けた「エネルギー重視派」である場合や、何度かの対戦で、こちらの手の内がOutClimb戦術がメインだと思われている場合など、相手の意表をつく意味で、効果があると思います。

これが決まると、最初の交差の次にくる2回目の交差で、いきなり集中射撃を浴びせることができたりして、どちらかというと速戦即決の戦術です。
ただし、せっかくのエネルギー優位を捨てるので、バクチ的要素もあります。

ただ、理論的には、以下2点が指摘され、

1の要素、すなわち、速度変化が大きいほど旋回角速度を高めることができるという点
2の要素、すなわち、初期速度がおそいと、コーナー速度から外れやすいという点

やはり、初期機動でスロットルを絞る場合でも、戦闘開始時の速度が大きいほうが有利であると思います。
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勉強になりました
 Flare  - 2010/04/10(土) 10:09:54 -

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   スロットルを絞る効果について勉強させて頂きました。
AHでもIL2でもベテランはほぼこの効果を利用してますが、こうやって文章にまとめると難しいので、とても参考になります。

ちょと補足ですが、il2の場合重さによる慣性力の違いが再現されてますので、注意が必要です。

つまり、同じN1K同士でも、燃料や弾薬で軽くなった機体と重い機体では、かなり物理特性が違いますので注意が必要です。

ポイントは以下の2つです。

1.重い機体
・慣性が大きく、旋回操作等により横滑りしにくいが、横滑りが始まるとそれを打ち消すのに大きな力がいる。
・軌道は軽い機体より膨らむ。
・エンジンファクター等の物理効果をうけにくい。

2.軽い機体
・慣性は小さく、横滑りしやすい。
・小さな力で横滑りを打ち消す事ができるので、なれてないとラダー調和ができずに機体が蛇行する
・エンジンファクターなどの物理的効果を受けやすくなるため、特に低速域では失速速度が速くなる機動多い。(低速での左垂直旋回などは特に注意)

巴戦に入ると軽い側は重い機体に対してどんどん食い込む事ができますが、スピードが落ちてくると慣性力が少なくなってる分、限界付近での操縦が重い機体より難しくなります。

わかりにくい人は石を投げる例でイメージしてみてください。

重い石と軽い石を同じ力で投げた場合、重い石は軽い石より遠くには飛びませんが、飛んでいる間は慣性力が高いため、風の影響やかかった回転力のロスも少なく、安定した放物線を描いて落ちます。

逆に軽い石はより遠くに飛びますが、風にも影響されやすくなりますし、回転力の減衰により空気をまともにうけるため、進行方向もかわりやすくなりますし、ちょっとしたモーメントで軌道がそれるという事です。
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慣性
 Hanzo  - 2010/04/16(金) 21:34:13 -

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   補足ありがとうございます。

シムによって再現しているものとそうでないもの、味付けも色々あるようですね。
個人的に、グラフィックなど演出よりもフライトモデルなどシミュレーション性に重点を置いてもらいたいなーと思っています。

飛行機の操縦経験がないので、慣性の作用はイメージするしかないですが、理屈は良くわかりますよ。
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Re:初期機動その2
 Flare  - 2010/04/10(土) 09:44:39 -

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   詳しい解説ありがとうございます。

ほぼ私の考え方と同じで安心しました。

>速度小がこれを嫌う場合、今回のFlareさんのように、相手の上昇に敢えて付きあわず、下で状況を整えて逆転のチャンスを窺うというのは、定石のひとつだと思います。

補足ですが、il2のN1Kに限り、この時点で速度小が上昇した相手を追従すると、あっというまにエネルギーが無くなってしまい次の機動に繋げる事が難くなる為、意図的以外には追従して上昇ができないというのが本音だったりします・・・
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