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初期機動で、速度大がスロットルを絞って食い込むパターン
スロットルを絞って得られる効果は3点あると思います。
1 服部省吾「操縦の話」にでてきますが、スロットルを絞って減速しながら旋回すると、スロットルを全開またはパーシャルにして旋回するより、角速度の大きい旋回ができます。
2 ご承知の通り、コーナー旋回がもっとも旋回角速度を高くできるのですから、旋回中できるだけコーナー速度周辺で飛ぶと、効率よく旋回できます。紫電改のコーナー速度は350km/hあたりでしょうか。インメルマンターンすると位置エネルギーに食われて速度が落ちるので、スロットルを派手に絞ると、速度が落ちすぎてしまうことも考えられます。
3 交差の瞬間に同位であっても、より小さい旋回半径で相手の内側にはいれば、旋回率が同等であっても相手を押し出すことができます。
このように、旋回率を高めて、相手に食いこむことを優先するなら、交差前後から一定時間スロットルを絞ると良いということになります。
相手が、「格闘派」ではなく、エネルギーマネージメントに長けた「エネルギー重視派」である場合や、何度かの対戦で、こちらの手の内がOutClimb戦術がメインだと思われている場合など、相手の意表をつく意味で、効果があると思います。
これが決まると、最初の交差の次にくる2回目の交差で、いきなり集中射撃を浴びせることができたりして、どちらかというと速戦即決の戦術です。
ただし、せっかくのエネルギー優位を捨てるので、バクチ的要素もあります。
ただ、理論的には、以下2点が指摘され、
1の要素、すなわち、速度変化が大きいほど旋回角速度を高めることができるという点
2の要素、すなわち、初期速度がおそいと、コーナー速度から外れやすいという点
やはり、初期機動でスロットルを絞る場合でも、戦闘開始時の速度が大きいほうが有利であると思います。
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