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>もちろん、バレルロールの定義もあきからにされてませんので問題ですが、すくなくても坂井さんが言う「螺旋」がバレルロールだとすると、あの本では螺旋と捻りこみは違うという発言をされていると文章から思いました。
<中略>
>少々長いですが、坂井さんは明確に「螺旋」と操縦法が違うという事を言っておられると思います。
まず、バレルロールについて
バレルロールについてFlareさんに一から説明するまでもないと思いますので、ぼくが問題にしている、バレルロールと斜め宙返りとの相違についてだけ、述べさせてもらいます。
左斜め宙返りは、機動開始時に機体を左に傾けたら、原則として途中で機体をロールさせません。頂点付近では、背面近くなりますが、完全な背面にはなりません。上りも下りも左旋回しています。見かけ上は円運動です。
(加藤氏の「飛行の話」などに図示された左捻り込みは左斜め宙返りです)
左バレルロールは、機動中、少しずつロール軸を左に変化させていきます。頂点付近では完全な背面になります。上りは左旋回、下りは右旋回しています。見かけ上は螺旋運動です。
このような相違があるため、斜め宙返りとバレルロールが混同されることはないと思いますが、坂井さん自身の言葉として「バレルロール」と書かれたのを見たことがありません。
他の旧軍パイロットの手記などについても同様なので、旧海軍では「バレルロール」という言葉は使われていなかったのではないかと思います。(戦後自衛隊に入隊された方は使っているかもしれません)
ここからはぼくの主張ですが、坂井さんはバレルロールを「宙返り」と説明しているように思います。その理由として、一般人が理解できる、適切な用語がなかったからではないかと思います。
インタビュー映像では、
「私なんかは、縦の運動、斜め宙返りを利用した捻り込みと言っていました」
と言いながら手にした模型の零戦をバレルロールのように螺旋運動させています。
また、引用された文章ですが、
坂井さんは、必ずしも螺旋状の軌道を否定していないと思います。むしろぼくには「通常のスローロールの螺旋が、隠し味によっていびつな螺旋に変形する」と読めますが、いかがでしょうか。
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