|
以下、本題からちょっと脱線する話です。
皆さんご存知の、軍用機・軍事の総合サイト「Warbirds」の質問コーナーで、左捻り込みは何度となく質問されていますね。
なかでも、下記のやりとりは秀逸だと思います。(最後の回答者TAKさんは、IL2台南空のTAKさん?)
http://www.warbirds.jp/ansq/12/A2003506.html
質問者Kobayashiさんは、ご自身によれば、なんと曲技飛行の経験者であり「大空のサムライ」を始め、捻り込みに関する書籍にはほとんど当たっているようですし、元搭乗員の方にもヒアリングされているようです。
質問の一部を引用させてもらうと
<引用初め>
経路が一定ではないということは制御して敵機との位置関係をいつも同じような位置関係に持っていくために完全に制御していることを意味すると思います
ではどういう計画でどういう技法があるかについては理解できません。
果たしてあの記述で捻りこみを再現できる操縦し入るのでしょうか
<引用終わり>
我々フラシム経験者、とくに格闘戦に熱を入れたことのある者なら、初めの一文は、非常に実感をもって頷けるところではないでしょうか。「ツバメ返し」や「吊り天井」など定石と言える手筋は、このような手順を必ず踏んでいると思います。例えば「この位置関係にもってゆき、このタイミングでこう切り返す!」とかです。定石となっているものでなくても、得意のパターンについて、みなさん、思い当たるものがあると思います。
ACMに限らず、技と呼ばれるものは本来的に、様々な状況に対処できる柔軟なパターンをもっていると思うのです。
ところが、大空のサムライにしろ、零戦の秘術、操縦の話にしろ、典型的なパターンを説明しても良さそうに思えるのですが、相対的な位置関係の制御といった話はかなり曖昧で、「果たしてあの記述で」という感想は無理も無いなぁと思えます。
左捻り込みの操縦方法が具体的に記述されている部分を抜粋して読み比べてみると、それぞれに特徴があり、互いに矛盾する部分もあって、同じことを言っているとは思えないほどです。
しかし、相対的な位置関係の制御という話は、ほとんど語られていません。
左捻り込みについては言えば、相手に撃たせず、なおかつオーバーシュートさせる方法ということで、これは、左捻り込みを解明する上で、もっとも重要な根幹部分のように考えているのですが、結局のところ、これまで誰からも説明されていない左捻り込みのミッシングリンクなんだと思います。
仮に、なぜ説明されないかという問いがあれば、
たいていは「口(言葉)で説明することはできないものだから」といわれます。
あるいは、「飛行機の失速付近の挙動を利用するなどした特殊な操縦であるから、飛行機の操縦経験の無い者には理解できないもの」ともいわれます。
しかし、このような説明には何か腑に落ちないものを感じますね〜。
|
|